オロナミンC



少し前のこと。
かみさんからマルエツで「オロナミンC10本入り498円」の買い物を頼まれたが、私は間違って「リポビタンD」を買ってしまい、かみさんにかなり残念がられた。なぜなら長男がとても楽しみにしていたからだ。汗だくで買い物から帰った私に、もう一度買いに行く気力はなかった。「多分、もう売り切れていたよ」と濁した。


さて、9月。夏休みも終わり、長男と話し合った。
ひとまず今月は千駄ヶ谷道場に頻繁に通ったりはせず、集中して三軒茶屋道場に通ってみよう。平日も短時間でもいいから足を運ぼう。そう決めた。


最近、棋力は長男に離されるばかりで私は相手になってない。また長男はもう自分一人で道場・教室へ行けてしまう。
父親の私がしてあげられることは、どんどん少なくなってきている。
そんな私は、できるだけ三茶帰りの長男と会社帰りに落ち合って一緒に電車で帰ることにしている。


今週の月曜日も長男と落ち合って一緒に電車で帰ることにした。
私は長男の大好きなオロナミンCを自販機で買い、隠して、改札で待った。
会社帰りの旦那・OLに混じって、一人小走りで改札に向かってくる長男。
私らしくなくおおげさに手を振り笑顔で出迎える。「おつかれ〜」と。


会社帰りの電車で中年と少年が並んで座る姿は珍しく。すこし怪しげだ。
「誰が来てた?」「今日は先生に何を言われた?」「何か怒られた?」と聞いたり、今はまっている詰将棋を解かせてみたりと楽しい。
そんななかで、さりげなく長男の後ろから手を回し、長男のバッグにオロナミンCをこっそり入れてビックリさせたりと、たわいもないやりとりもまた楽しい。


もうパパにはこんなことくらいしかできないけれど、これからもずっと君を応援していく。