2011年 JT東北こども将棋大会 1

 中止となった「JT東北大会」が東日本復興応援イベント「JT東北こども将棋大会」として開催されると聞き、参加を検討した。
 遠征は費用もかかるし、東北以外からイベントに参加する意味はないのではないか・・などと大いに迷ったが、うまく言葉で表せないが、とにかく震災後一度も訪れていない東北に子供達と一緒に行こうと思い、本イベントに参加することにした。


 当日は過去最多の439人の小学生が参加したようだ。
 「東北の子供たちに楽しんでほしい。笑顔になってほしい。」という思いが随所に込められていた。
 谷川浩司先生を始め総勢13人という驚くべき数のプロ棋士の方々が参加。プロ棋士指導対局はもちろん、プロ棋士を交えたリレー将棋があったり、記念撮影時間を設けたりと子供達は大いに喜んでいたと思う。


 そんな中、特に印象に残ったのは最後のお楽しみ抽選会でのこと。参加13名のプロ棋士直筆の揮毫付扇子プレゼントなのだが、その演出と先生方の振る舞いに心をうたれた。


 まず13名のプロ棋士の先生がずらっとステージに並び、そこに当選した子が次々に先生の前に一緒に並んでいく。そして、最後一斉に子供達が先生の方を向いて、先生自ら扇子を渡すのだが、そのとき、先生一人一人が目の前の子供に何か語りかけているではないか!もちろん「おめでとう」という片言ではなく、目線を子供の高さに落としてやさしく何かを語りかけていた。労い、励ましの言葉だろう。瞬間、すごく暖かな気持ちになった。その光景を見られただけで来た甲斐があったと感じた。


以上